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松図短冊 中村芳中筆 現代琳派作品
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江戸時代初期、本阿弥光悦や俵屋宗達の作品を源流とし、
尾形光琳・乾山、酒井抱一、鈴木其一らへと受け継がれ、発展した美意識の流れ、琳派。
京都や江戸の人々を深く魅了し、19世紀には万国博覧会を通じてヨーロッパの新しい絵画の潮流に大きな影響を与えたことでも知られています。
2015年、光悦が鷹ヶ峯に芸術村を開いた時から400年という記念の年を迎えるにあたって、琳派継承の豊和堂による「ぼくらが琳派を継いでいく」 展を、ALにて2月4日より開催いたします。
琳派には、それまでの日本絵画の画派と異なる特徴があります。狩野派や土佐派、四条円山派などが、師から弟子へ、あるいは親から子へ、師承と血縁によって技法を継承していったのに対して、
直接的な師弟関係も血縁もなく、ただその美意識への共感と敬意によってのみ、技法やモチーフをリレーした宗達から光琳、抱一らを、後の時代の人々は星と星をつなぎあわせて星座を形づくるように、「琳派」という画派として見るようになりました。また現代のグラフィックデザインにも通じる大胆な省略やトリミングも、他の画派と一線を画するところです。
もし宗達や光琳が今の時代を生き、海外に渡っていたらどのような表現をしただろうか。本展はこのコンセプトに基づいて、琳派美術館の異名を持つ、細見美術館監修の下、琳派のエッセンスを受け継ぐ表現を現代的な解釈で試みた作品22点を、豊和堂が制作、展示いたします。
400年の歴史を受け継ぎ、現代に転生した琳派作品をご高覧ください。
展示作品(予定)
・松図短冊 中村芳中筆 現代琳派作品
・墨竹図 尾形光琳筆 現代琳派作品
・双犬図 俵屋宗達筆 現代琳派作品
・白蓮図 酒井抱一筆 現代琳派作品
・金魚玉図 神坂雪花筆 現代琳派作品
・四季花鳥図屏風 酒井抱一筆 現代琳派作品
・葡萄図 伊藤若冲筆 現代琳派作品
・月に秋草図 俵屋宗達筆 現代琳派作品
その他
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月に秋草図 俵屋宗達筆 現代琳派作品 |
400年前に描かれたものをたどってみる。
そこには、海の向こうにはない美しい絵があった。
それが琳派だった。
100年の空白を超えて
ぼくらが琳派を継いでいく
豊和堂|TOYOWADO
約400年前、桃山時代後期、豊臣政権の五奉行を勤めた前田玄以を先祖に、
代々残る文献を基に織りや染めなどの染織技術に着眼し復元と創作を行っている工房。和装メーカーとして着物、帯を製作している。
近年では、2001年に、国宝『衵』小葵浮線綾二重織を復元し熊野三山、和歌山県速水神社へ奉納。
2007年、大本山石山寺に『源氏物語蒔絵宇治十帖図』奉納。
同年12月23日、皇室へ『菊花富士鳳凰模様』献上。
2009年4月10日、皇室へ『釈迦悟涅槃図模様』『打梨鳥襷模様麒麟図』献上。
同年6月、比叡山延暦寺へ『釈迦悟涅槃図』奉納。寺宝指定を受ける。
同年8月、青蓮院門跡、教王護国寺(東寺)へ『釈迦悟涅槃図』奉納。
2010年、慈受院門跡へ『白蛇弁財天模様』奉納。寺宝指定・文化庁管理指定を受ける。
同年11月、伊勢神宮へ『太陽と五十鈴川図』『月と五十鈴川図』『伊勢神宮天外図』奉納。
2011年、慈受院門跡へ『後桜町天皇下賜表着』を復元、奉納。
2013年、細見美術館へ俵屋宗達『墨梅図』復元、収蔵。
2014年、細見美術館へ伊藤若冲『糸瓜群虫図』復元、収蔵。
同年12月、細見美術館監修の下、中村芳中『四季草花図短冊』を額装に。
細見美術館館長、細見良行氏より復元能力、創作能力について激賞される。
山田晋也|Shinya Yamada
1974年京都生まれ。豊和堂 株式会社 代表取締役/アートディレクター。
戦国時代から安土桃山時代にかけての僧侶/武将/大名で豊臣政権における五奉公の一人であった前田玄以を先祖とする。
これまで、皇室、伊勢神宮、比叡山延暦寺を始めとする数多くの寺院に、作品を納めている。
現在は細見美術館の依頼により、酒井抱一の復元を手がけている。
「ぼくらが琳派を継いでいく」 展
12:00―19:00 会期中無休
オープニング・レセプション:2月5日(木)18:00―21:00 作家来廊
※ 19:30より、「細見良行×橋本麻里×山田晋也 トークイベント」開催
会場: AL 1F main space
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17-1F
Tel 03-5722-9799
FACEBOOK: https://www.facebook.com/AL.TOKYO
twitter: https://twitter.com/info_AL
入場料: 無料
監修: 細見良行(細見美術館館長)
協力: 橋本麻里
※ワイトロフィーによる豊和堂の特別な織物を使用したロゼットの展示販売もございます。
ワイトロフィー | Why Trophy?
Why Trophy? ワイトロフィーはライターで考える担当:高澤敬介と作る担当:高澤瑞穂の2人組で、トロフィーやロゼットなどの称えるかたちをリサーチしながらオリジナルのアイテムを製作しています。リボン徽章「ロゼット」は世界中で多様な文化が生まれ、様々なものが作られ続けています。ワイトロフィーは土着的なロゼットの作り手に取材を続け、自分たちの風土や環境から生まれる発想をもとにロゼットを表現しています。http://www.whytrophy.com/